大和ハウスグループ みらい​価値共創センター

奈良県奈良市, Japan
Photo © Shinkenchiku-sha

“現代の会所をつくる”
「創業者精神を伝え広めるためのホールが必要」という樋口武男会長(現:最高顧問)の言葉をうけて、全国に3箇所ある研修センターを創業者ゆかりの地である奈良に集約し、現在グループ約49,000人の大和ハウスグループの未来を担う新しい人財づくりのための場をつくるプロジェクトである。

変化がはげしく予測しにくい社会のなか、人々が一堂に会する場とは何か、集まることにどのような意味があるのか、そして共に学ぶとはどういう事なのかを考えることから始めた。設計段階に計3回開催されたワークショップは、この施設を利用する多くの人の意見やアイデアをヒントにするため、大和ハウスグループの横断的なメンバーで行われた。  

そのなかで生まれたキーワードから、私たちはこの施設のコンセプトを「森の会所」と定めた。「森」は創業者の生まれ故郷である吉野の森の、豊かな生態系をはぐくむ光・風・水の風景、「会所」は、室町時代に、身分の隔たりなく車座になって、連歌や和歌を詠んだりした文化交流・発信の場のことであり、私たちはそこから着想を得て、人々が集い、お互いに刺激し、影響し合う、現代の会所のような場をつくることを考えた。

自然光が入る360度開かれた500人収容の「太陽のホール」、食を通して語らう場である「風のパティオ」、創業者精神を学び、自分自身と向き合う場「水のサロン」、その三つのエリアがメビウスの輪のように絡みあう動線でつながることで、有機的に連続し、人間の活動を制限しない空間をイメージした。

研修エリアの1・2階は、スロープによって連続したフロア構成となっている。「Studio」と呼ばれる研修スペースを中心に、あらゆる場所がオープンで連続的に使うことができる。

3・4階は宿泊ゾーンであり、研修後の熱気もそのままに集える「マスターリビング」を太陽のホール上層に設け、吹き抜けで繋いでいる。

水のサロン3階に位置するレセプション「丹生庵」からは、山々の連なりや東大寺などを臨むことができ、古代奈良盆地に拡がっていた大和湖の水平線を感じることできる。

Photo © Shinkenchiku-sha
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Jaar
2021

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