バルセロナ・イマジナリウム

Barcelona
写真 © Marta Pons Miralbell
写真 © Marta Pons Miralbell
写真 © Marta Pons Miralbell
写真 © Marta Pons Miralbell
写真 © Marta Pons Miralbell
建築家
SAKO建築設計工社
場所
Barcelona
2007
チーム
Principal Architect: Keiichiro Sako
Interior Design
SAKO Architects

「イマジナリウム」は、イマジネーション(想像)とリウム(場所)からなる造語であり、スペインのおもちゃブランドの名称である。旗艦店となるこの店舗は、バルセロナの目抜き通りであるグラシア通りに面している。通りの向こう側にはアントニオ・ガウディの代表作カサ・ミラがある。

この店舗が扱う商品の系列は23にも及ぶ。それぞれが商品に合わせた独自のエリアをつくりながらも、全体としては一体感のある空間をつくろうと考えた。6mの間口に28mの奥行きという細長いプロポーションの空間に対して、洞窟が持つ空間特性がそれに応えられるのではないかと考えた。全体を一望出来るわけではないが、奥へ奥へと進むにつれてシーンが連続的に展開して行くような空間である。

5つのレベルの陳列棚は滑らかな曲線を描いている。それはあたかも自然の地形を等高線によって再現しているようである。局所的に「舌」のように飛び出した陳列棚の部分は、販促品のディスプレイ、エリアサイン、テーブル、椅子、カウンター、書棚、パーティションなどに変化し、多様なアクティビティをつくり出している。

商品やそのパッケージは原色を用いたモノが多い。その色づかいを引き立てつつ、空間自体も華やかさを醸し出すために壁面を虹色にした。縦方向に漸次的に変化する虹色の壁紙はオーダーメイドでつくった。虹に包まれているような感覚を子供たちに持ってもらえたらと思う。

大人用と子供用の扉が並び立つエントランスは、イマジナリウムの伝統的なアイコンである。この旗艦店ではこの秀逸なエッセンスは引き継ぎながらも、大小の円形が一体化した姿へとアップグレードした。

このカラフルで有機的な空間「イマジナリウム」を見たら、ガウディは微笑んでくれるだろうか。

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