東村山むさしの認定こども園(幼稚部)
学校法人野澤学園は2013年、創設40年を迎えることを機に既存幼稚園舎に新たに保育園を増築し、認定こども園として新たな歩みを始めた。本計画はその既存幼稚園舎について、創立50周年記念事業として耐震改築と新たな機能拡充のために行われた建替計画である。
東村山むさしの認定こども園は東京の西,狭山丘陵にさしかかる住宅地にある。今から10年前には、幼稚園創設時に園庭に植えられた木々は40年あまりの時間の経過とともに成長し、すでに天空を覆うばかりの姿であった。
10年前の保育園の増築および今回の幼稚園の改築計画にあたり「四季折々の自然の織り成す豊かな環境こそが、感性や心の豊かさを育む大切な教育要素である」との学園の教育方針に応え、日々を生きる中で一人ひとりの子どもの心に発見や工夫の心が育まれるようにとの思いを込めて施設計画に取り組んだ。
全体配置は、煌めく木漏れ日の下で自然の多様な事象を体験できる雑木林を中心に、南側に中庭を囲む保育園、その中庭と北側の雑木林エリアとの間に南北両面が全面ガラスの解放性のあるランチルーム、その北に雑木林エリアとグラウンドを併せ持つ園庭。その園庭を3方から囲む軒の出の深い2階建ての幼稚園舎、園舎西棟の西側に学園が自ら整備する60mを超える長大なビオトープ(自然観察エリア)等により施設は構成されている。
幼稚園舎の東棟には2階にバルコニー席があり体育館としても使えるホール、多目的室、視聴覚室や屋上庭園に面した図書コーナー、西棟と北棟には保育室、北棟1階の園庭全体を見渡せる位置に職員室がある。園庭を囲む幼稚園舎の2階外部廊下は、運動会やお祭りなどの時には観覧席にもなる。また西棟1階には夏の強い日差しを避けることが可能であり、雨の日には遊び場ともなるピロティを設けた。
敷地のそれぞれの場所の特性を活かして多様な場が生まれるように配慮した計画により、各場所相互の透明性が保持され、どこに居ても敷地全体さらには敷地を超えた世界へと広くつながる伸びやかな空間性を体感することができる。
長くこの地で受け継がれてきた素晴らしい環境を計画に活かし、そこでの生活を通して四季折々の自然の醸し出す風景、日々の天候,太陽や雲の動きを体感し、虫の声や鳥のさえずりなどとともに過ごすことにより、感性豊かな人間の成長が促される場所として、長く人々とともにあり続けられる、建築と景観が一体となった創造的環境の創出をこころみた。
敷地面積:9165.16 ㎡
建築面積:2276.90 ㎡(幼稚園型認定こども園)、3644.33 ㎡(全体)
延床面積:3188.39 ㎡(幼稚園型認定こども園)、5008.61 ㎡(全体)
構造・規模:鉄骨造、地上1階
- 年
- 2023
- Project Status
- 竣工済


























